ちょっとかわいい男子がひょっこり訪ねてきた。
推定年齢26歳。
「覚えてますか?」と言う。
「全然」と答える私に畳み掛けるように「靴磨きの〜〜」と言われて思い出した。
そう、あれは3年前のこと。
公園の入り口に靴磨きの立て札と若者。
何かおとぎ話みたいな雰囲気に「靴磨いてくれるの?」と思わず声をかけた、
あの時の青年である。

それはそれは綺麗に磨いてくれて
それでいて確か無料!やっぱりおとぎ話?と思いつつ忘れていた本当の話である。

そして3年後の今、
「夢を叶えるシェアハウス」という動画を作ったので、その報告に来たと言う。
なぜなら私が出ているから。

私にとっては珍客の若者、どう対応して良いものか分からず
お茶も出さずに立ち話をして彼は帰った。
帰った後から「夢」という残り香が私の中に広がった。

「夢」なんだろう。
まず、そんなの無いな〜と思った。
あるとしても、とても小さいもの。
一つの帽子の製作に満足できること、誰かに喜んでもらえること、
ささやかに小さな満足を重ねること、
まあ言ってみれば当たり前のことで「夢です」なんて改めて言うほどのものでない。

と気づくと改めて考えていた。

するとふんわり空に現れる虹のようにアイデアが浮かび、
また、こんな夢もあったなと
おもちゃ箱から見つけたみたいに古ぼけた夢も掘り出して
心の畑に花が咲いてきた。

忙しい日常に埋もれていると人は「忘れる」という事がある。
一人の若者との会話から思いがけず見つかった
古くて新しい私の夢。
夢は小さくても大きくても
実現できてもできなくても、それがあることで元気になれる。
だって、それを考えるとき
空を見上げるように上を向いて考えると思いませんか?
それだけでベクトル上むきですから。

そう、ちょっと私、元気になったみたい。
ありがとう、若者くん。

その私の「夢」については交通整理をしてから、
またいつかお話しさせてくださいね。

写真は新作の定番ピンタックキャップです。