私の帽子ものがたり

母の日

母の日

私はマザコンです。 お母さん大好き。 母を亡くして、もう長い時間が経つのに、まだまだ母が恋しい。 幾つになったの?と言われそう。 だけど、毎日のふとした時に母を思い出す。 母の作る卵焼き、お洒落して出かける姿、口癖、面影。 そして、あの時わからなかった母の気持ち。 話したかったな〜私も母になったよ、と。 息子が撮った写真をお嫁ちゃんが電子カードにして 母の日に贈ってくれた。 とても優しいメッセージを添えて。 物ではない、こんな贈り物が一番嬉しい。 そして、今、彼女が母になろうとしている。 まさに今日、入院した! がんばれ〜!!応援しているよ〜 それぞれの母の日、おめでとう。 帽子屋ときどき家族…

修行時代

修行時代

修行時代のことを今日は書いてみます。 神様のように慕っていた母が亡くなって、ポッカリ穴が空いた私だった。 1981年、母49歳、私23歳。 そんな時、彫刻家の従兄弟が「帽子やらないか」と薦めてくれた。 帽子なんて全然興味が無かったけれど 国立のそのアトリエに行ったその時から魅了されて 即決、「私、やります!」と言ったのでした。 当時、確か65歳の関民帽子作家の 半地下になったアトリエは木の優しさと手作りの温もりと帽子たちがキラキラしていた。 もともと手仕事が嫌いでは無かったし 20歳そこそこの小娘には従分すぎるほど魅力的だった。 アトリエの奥は住まいとご主人(彫刻家関頑亭)の工房で 早速そのキ…

今日はここまで

今日はここまで

「今日はここまで」と言う言葉が頭の中に響いている。 文筆家山本ふみこさんのYouTubeから頂いた言葉である。 人生の引き出しをネックレスのように色々繋いで楽しんで生きるために 「今日はここまで」と自分に言って、例えば仕事を終えて料理する、と話していた。 もうちょっともうちょっとと、帽子作りをやめられない夕方 後ろ髪引かれてキッチンへ行くような、そんな自分であったから 胸にズキンときた。 また、自分の未熟さに気づいてしまい ちょっとへこんでから起き上がる。 反省は未来に活かして、曇りのち晴れとするっきゃない。 今日から私も「今日はここまで」と自分に言って 帽子や料理や色々を宝石繋ぐネックレスの…

小さな不満

小さな不満

夫と二人暮らしで、私は帽子を作っている。 自分一人で始めて、一人で作る、はだか一貫の帽子屋だ。 その暮らしの中で、大きな比重を占めるのがごはん作りだ。 帽子もごはんも作ることは好きだけど、時に大変になることもある。 例えば、アトリエで針を持ちながら、夜ごはんの心配をしている。 「あ、冷凍してあった納豆を出して解凍しなきゃ」とか 「ごはんのスイッチ入れ忘れた〜」とか頭はクルクルと忙しい。 そんな感じで、やっとまあ満足なごはんが整う。 食べる事は生きる喜びだし、何よりも健康のために侮れない。 ただ、アトリエが一階、キッチンが二階ときているから良い運動にはなるが その上り下りには、いちいち閉口する。…

経年変化

経年変化

私たち同世代の夫婦が還暦を迎えて、互いに自分の劣化を自覚する今日この頃です。 以前のように階段をポンポン登るのが辛い日もあるし ああ言った、言ってない、などと記憶力の低下による言い合いもしばしば。 昨年は経年劣化した屋根の塗装工事を行なったが 自分たちの劣化はどうしたらいいものか。 登山で言えば、初めての下山に思いのほか苦戦している? そう、初めての還暦、初めての還暦プラス、老いることの初体験なのだ。 そんな愚痴まがいなメールにお世話になっている税理士の先生から 良いメッセージを頂いた。 ”人生は屋根と違って経年劣化ではなく、経年変化ですよ”と。 義理のご両親のことを例にあげてメッセージは続い…

マリークワント展

マリークワント展

暮れの忙しい中、家のこともそこそこに マリークワント展に行ってきました。 31日までの招待券があったから、です。 さて、行ってみて、ワクワク感たっぷり、気分が高揚しました。 私はやっぱり洋服が好き! でも、流行って不思議です。 古臭いな、、、って思うものもありましたから。 印象に残っているのはフィルムの中で 「お洒落を楽しむ自信」と彼女が言っていた言葉です。 自信がないとお洒落も楽しめない?わかるような気がします。 でも自信ってどこからくるのでしょうか。 お洒落って着飾ることだけでは無いのですよね。 表面を支える内面がないと本当のお洒落はできないのでは? そんな事を考えて帰りました。 偉大なデ…

文化村

文化村

文化村冬のクラフトコレクションが始まった。 すっかり変わった渋谷、近いようで小一時間かかる。 正面入り口はこんな感じ、 東急本店から繋がって入っても良いし、とても良く設計されているな。 取り壊しは、本当に勿体無い。 さ、私の場所はこんな感じ。 カフェの向かいのワゴンで展示している。 入り口に近いから、半分外みたいに寒いよ〜と聞いていたから モコモコ厚着対策している私。 厚着し過ぎて、汗かいた笑。 文化村の印象はとても良い、今のところ。 なにしろ、スタッフさんが親切である。 その集団の雰囲気ってあるのかな? そして、それはどこから来るのだろうか、、、そんな事考える。 初日、二日目と過ごして今日は…

kyoko帽

kyoko帽

kyoko帽、納品しました。 プチプラだからビジネスにはならないのだけど 納品するときにはとても嬉しいのは何故だろう。 言ってみれば私の子どもであるKYOKO帽が ささやかに誰かさんのお役に立ってると思えるからかな。 手作りをする者からすると、恐ろしいくらい安価な洋服などが溢れているこの頃 手仕事の文化が消えてしまうのではと思う。 でも、そんな心配に抗うように私は帽子を仕事として続けてゆこうと思う。 例え、ビジネスにはならなくても 自分が鍛えられ磨かれ成長する事ができれば、それはお金には代えられない。 嫌な事があってもアトリエに降りて仕事を見れば 私にはこれがあると思える。 作品に集中すること…

左手の料理

左手の料理

あまりテレビを見ないのだけど たまたま、食事の時にパチンとつけたテレビで 「左手で作る料理」と言う番組をやっていた。 「え〜っ!!」と驚きと共に見入ってしまった。 13年前に脳出血で倒れた元人気パティシエの岡田吉之さん 右半身に麻痺がありながら、再び、料理をするようになり その様子を撮った番組だった。 とにかく彼の表情が楽しげにイキイキしていて、こちらまで元気になる。 思わずメモした言葉は 「シンプルに作って美味しく食べる。でこぼこが手作りの良さ」 「人生ってもっと大切なことがたくさんあることに気づいた」 そうだよそうだよ、、、 どこか私のこと?と思わされながら引き込まれた。 そう、私の帽子も…

タロット

タロット

文化村クラフトコレクションの会期が近づいて心が忙しい。 焦らないで〜と思っているのに、やっぱり焦っている。 ちょっと風を入れようかな〜と 友人の占い師がイベント出店しているというので ひょっこりお邪魔した。 「もう十分頑張っているから、 どーんと構えて他の人と比べないで。 自分の真の気持ちを喜ばせるように製作すれば良いんじゃない? 根を詰めないでってカードが言っているよ。 ゆっくり休むことも必要、でないと優先順位を間違えるから」 上記はそこからいただいたメッセージだ。 そうだそうだと思っていた事でも、人から言ってもらうとまた違う。 背中が押されて力が生まれる、人の力ってすごいな。 カードはその…