熱は下がったものの薬の力であろう。 それだけでも、ありがたいのだが、まだ咳が止まらない。 そしてまったく元気が出ない。 やる気が起きない。 こんな自分に出会ったのもいつ以来か分からないほど遠い昔だ。 子育て中は熱が多少あっても動けたものだ。 遠い昔、つまり子供時代以来かと思う。 そう、小さかった頃。 小児喘息でしょっちゅう咳をして、胸をゼロゼロと鳴らしていた。 挙句「せきっこぞう」などと言われていたのだ。 大人になったせきっこぞうは、新しい楽しみを見つけた。 空を見ることだ。 今朝、夜明け前の空に星が瞬き、 昼間は吸い込まれそうに美しい水色に染まり 夕方は屋根に囲まれた東京の空にも、ちゃんとマ…
せきっこぞう









