どうして帽子を始めたのか(「帽子との出会い」)は先日書かせてもらった。
そうとは知らずに丁稚奉公としてアトリエに入った私の衝撃を想像して欲しいのだが
今となっては本当に懐かしい、貴重な体験をさせてもらった。
なにしろ恥ずかしくなるほど未熟だった私を、先生はどんな目で眺めていたのだろう。
今、印象に残っている言葉は、初めてミシンを踏む時に
「一目一目心を込めて踏むのよ〜」と。
それから、こうも言った
「あなたは一生、帽子を作るわね、かわいそうに」
そして「優雅に帽子を作りなさい」とも。
また「オーダーを受けちゃダメよ」と釘を刺されたこともある。
どうして帽子を作り続けることがかわいそうなの?
優雅に作るってどういうこと?
なぜ、オーダーを受けてはいけないの?
など、ちんぷんかんぷんな私、キョトンとしていたと思う。
それがやっとわかるようになった時には、もうすでに先生は天に召されて話すことができない。
受け取れなくてごめんなさい。そして、ありがとうございました。
頑張れ頑張れと教育されてきた。
そして頑張れば何とかなると思っていた。
だから時間を惜しんで針を持った。
我が強かったのだ。
でも、それだけじゃダメなのだと今は反省している。
反省はしても落ち込まない。
歳を重ねて色々分かって良かったのだ。
つづく
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