ニコニコロード

リ*スタート

リ*スタート

1998年、当時の私38歳。 夫の転勤で札幌へ行き、新しい自分に出会った。 息子の幼稚園のバザーで帽子を出品してママ友に絶賛されて それが嬉しくて、私は煽てられた子豚ちゃんになってしまった。 札幌という風土のおおらかさに触発されたのもあって勢いがつき 帽子づくりを再スタートしたのだ。 もともと、帽子アトリエに丁稚奉公した経験があり、その下地はあったものの 長く続かなくて封印されていた。 当時、「自分探し」という言葉も流行っていたっけ。 主婦というだけでない何かが欲しかったのだと思う。 下の子が小学生になったのもも良いタイミングだった。 3LDKの一部屋をアトリエにして、ひとりぼっち家内制手工業…

腰痛その後

腰痛その後

ぎっくり腰のその後、もうすっかり良いと思いきや やはり尾を引いておりました。 毎日のお家ヨガに加えて 生活の中で気をつけることを書いてみます。 まず、姿勢です。 腰痛がひどい時は姿勢を正した方が楽でした。 腰が楽になったくると 気がつくと背中が丸くなってくるみたい、この点、注意です。 物を拾ったり、腰を曲げるときも大変でした。 そんな時こそ、ゆっくりと出来るだけ膝を曲げないようにして お尻を後ろに突き出し腰を伸ばすようにして、体を倒しました。 それがキツい時は膝を少し曲げます。 膝と腰が連動しているので、その塩梅を調整するように動きます。 足を組むことも気をつけました。 楽ですから、つい足を組…

どんぐりキャップ

どんぐりキャップ

この頃、私のこだわっている形に「どんぐり」がある。 丸っこいお椀型で、私たち日本人に良く似合うと思う。 パターンを四苦八苦して形を出すだけでも相当面倒くさいが 縫い合わせもまた一苦労、少々のテクニックを要する、気がする。 つい何となく縫ってしまって後から後悔することが多い。 まだまだ経験が足りない、鍛えられ方が足りない、、、と肩を落とした後に 「まだまだ伸び代があるのよ〜」と考えを変えて上を向く。 下向いたり上向いたり、忙しく首を振っている帽子屋だ。 難しいなと思う帽子づくりだが、その影に楽しさと喜びが隠れていて それを掘り起こすように気持ちが溢れて文章を書きたくなる。 帽子を作りながら、心を…

うっかり曜日

うっかり曜日

昨日はうっかりの日。 まず、生協の申し込みをうっかりすっかり忘れて夕方に気が付く。 楽しみにしていたチョコレートが食べられないじゃん、がっかりだ。 日中寒くて階下に暖を取るが、うっかり二階のエアコン付けっ放し。 電気代が怖いよ〜〜ごめんなさい。 朝と昼の薬を全部飲み忘れて、うっかり。 どうしよう。夕方と寝る前に分散させて誤魔化して飲む。 明日の灯油がないのに、うっかり電話し忘れた〜。 夕方、慌てて電話したら、これから届けてくれるって、ぎりぎりセーフありがとう。 うっかりを重ねてちゃっかり生きる、それも幸せというものか。 写真は帽子のトワル。 今、中折(ソフト)帽にはまっています。 夢中になれば…

賜り物

賜り物

還暦を過ぎて良かったなと思うことの一つ 未熟だった自分がよく見えるようになったことだ。 若い頃には気づかないほど、目の前のことに夢中だった。 だから、あの人にもこの方へも、いろんな人に謝りたい、そんな気持ちだ。 その一つ、帽子の大先生に謝りたい気持ちがいっぱいで 文化村のご案内を添えて謝罪のお手紙を出した。 目の前の帽子に夢中で不義理者の私でしたがお陰様で頑張ってますよ〜 そんな意味合いである。 ところが先生はすでに別の場所で隠居されていて お嬢さんから届いた丁寧なお手紙には 不要な木型を欲しい方はいらっしゃいませんかと、あった。 先生は敬虔なクリスチャンで「賜り物」という言葉をよく使っていた…

ミモザのベレー

ミモザのベレー

寒さも本番ですね。 今日はヨガで始まる日曜日でした。 駅に向かう道、ピリピリと冷気が頬に当たってしみました。 毎朝ヨガの練習をしているのに この頃、経年変化を感じている。 今日も立木のポーズではよろけてしまった〜〜 そんなあり得ない自分だけど、それもアリと思っている。 苦手だからやらないのではなく、だからこそ めげずに次回も頑張ろう。 カッコつけなければ良いだけだ。 さて、文化村へはいらっしゃれなかったけれど〜と ベレーのご注文。 この写真↑は文化村へ出品したもの。 これと同じで、飾りを小さめにというリクエストだ。 名付けてミモザのベレー。 黄色が新鮮なこの頃だけど、更に深さのある山吹色、派手…

ベレー帽

ベレー帽

シンプルな6枚はぎのベレーに残り物のお花をつけてみたら あら、いい感じ〜 すぐに縫いとめたかったんだけど他の用事でできなくて そのまま棚にポンとおいてあった。 そこへやってきた一人のお客さまが手に取った。 私の「いい感じ〜」が伝わったのかな。 かぶってみて、これが好きだと言う。 まだ作りかけだから、少し待ってねとお願いした。 退院したばかりと言っていた彼女。 そんな彼女の気持ちが少しでも華やぐように、心を込めて仕上げた。 明日、取りに来る。 彼女が喜んでくれたら私も嬉しい。 ものを作る醍醐味ここにあり。 ************************* いつもお読みくださりありがとうございま…

今日の帽子

今日の帽子

今日は夏の帽子をお直しした。 ヘンプというお気に入りの布を使った作品だが 思ったほどに腰がなくてヨレヨレしたのだ。 ブリムだけ全部ほどいて、接着芯を貼り直し、同じように仕立ててみた。 それは大変に面倒くさい作業だけど 出来上がった時の嬉しさを思うと頑張れるのだ。 ほら、後ろがクルっと持ち上がった。 これと同じパターンで違う素材でも作ってみたくなる。 もう日は傾いてきたけど、どこまで出来るかな。 寒中見舞いが今日出来上がってきた。 コメント書いたり住所のシールを作ったり やりたいことがたくさんあって交通整理が必要な、そんな帽子屋である。 ************************* いつも…

経年変化

経年変化

私たち同世代の夫婦が還暦を迎えて、互いに自分の劣化を自覚する今日この頃です。 以前のように階段をポンポン登るのが辛い日もあるし ああ言った、言ってない、などと記憶力の低下による言い合いもしばしば。 昨年は経年劣化した屋根の塗装工事を行なったが 自分たちの劣化はどうしたらいいものか。 登山で言えば、初めての下山に思いのほか苦戦している? そう、初めての還暦、初めての還暦プラス、老いることの初体験なのだ。 そんな愚痴まがいなメールにお世話になっている税理士の先生から 良いメッセージを頂いた。 ”人生は屋根と違って経年劣化ではなく、経年変化ですよ”と。 義理のご両親のことを例にあげてメッセージは続い…

お煎餅屋さん

お煎餅屋さん

京都旅行で買ったお土産はお煎餅だけ。 年齢とともに物欲も減っているのか 特に買いたいと思うものに出会わなかった。 宿から鴨川へ散歩したのだけど その際に目に留まったのが、このお煎餅屋さん。 明治時代から創業という老舗らしいが 見るからに趣がある。 私でなくても吸い込まれると思う。 中では女性たちが(老いも若きも)せっせと 煎餅を袋詰めしていた。 そのたくさんの煎餅の中から 亀の形をしたものを買った。 「味は普通のお煎餅ですよ」と言われたが 家に帰って食べてみると美味しい、醤油の素朴な味だった。 シンプルに醤油の味で勝負している。 我が家の近所にもお煎餅屋さんはあったのだが、 次々に廃業して今は…