母の思い出

随分前のこと。
当時住んでいた団地での、うる覚えのこんな会話。

「お姉ちゃんはたくさんお茶碗を割っているよ、
でも、自分はそんなに割ってないよ」
何気ないつもりで言った私に予想外の反応が返ってきた。

「それはあんたがあまりお手伝いをしていないっていうこと
お姉ちゃんはもっとやっているから、割る茶碗も多いのは当たり前」
と、言葉はすっかり忘れているのだが、やや厳しい物言いが返ってきた。

母が台所に立ち、その傍らに控える10歳そこそこの私。
狭いキッチンの向こうのベランダから光が差して、
母の背中がシルエットになって、私の目に焼き付いている。

悪気のない私の心のどこかに、自分が偉い、みたいな傲慢さがあったのを
母は見落とさなかったし、それが鼻についたのだろう。

その時は何でそんなに怖い言い方するんだろうと口を尖らせて、その場を去ったと思うが
今になって良くわかる。

何もやらなければ失敗もないのだ。
物事の上澄みだけをみて評価などできない。
ましてや自分が少しでも人様より偉いなどと思うものなら、とんでもない。

針を持ちながらいろんな事が脳裏をよぎる。
懐かしみながら、私の帽子ものがたりは続いてゆく。

写真は朝散歩で寄ったスタバのショット。
中野通りの街路樹が向こうに見える、私たちのお気に入りの席である。

さ、今日もコツコツと重ねましょう!

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