アトリエには通りに面して小さな窓がある。 この窓が好きだ。 ただ、今までは仕事や家事に追われて 作品を飾ってみたり、放ったらかしになっていたり 気まぐれ状態であった。 でも、この頃、通りがかりの人に話しかけるような気持ちで言葉も添えて飾っている。 誰とも分からない相手と会話しているみたいで意外と楽しい、再発見だ。 以前からそのようにした事も確かあったのだが だからと言って、目に見える何かしらの反応があるわけでもなく やってもやらなくても同じ〜と感じたのも事実、 いつしか、すっかりうっかり忘れていた。 そうなのだ、人間は、大切だと気がついていても、つい、忘れることがある。 忙しくしていれば尚更だ…
賜り物
還暦を過ぎて良かったなと思うことの一つ 未熟だった自分がよく見えるようになったことだ。 若い頃には気づかないほど、目の前のことに夢中だった。 だから、あの人にもこの方へも、いろんな人に謝りたい、そんな気持ちだ。 その一つ、帽子の大先生に謝りたい気持ちがいっぱいで 文化村のご案内を添えて謝罪のお手紙を出した。 目の前の帽子に夢中で不義理者の私でしたがお陰様で頑張ってますよ〜 そんな意味合いである。 ところが先生はすでに別の場所で隠居されていて お嬢さんから届いた丁寧なお手紙には 不要な木型を欲しい方はいらっしゃいませんかと、あった。 先生は敬虔なクリスチャンで「賜り物」という言葉をよく使っていた…
考える日
週末は寒中見舞いを書いた。 年末は出展でそれどころではなく今頃のご挨拶 相変わらずマイペースなんだな〜 すごーく一生懸命にやっているつもりなんだけど 結局、呑気なものだ。 さて、今日は考える日だった。 テーマは2023年のアトリエKYOKO。 ファイルを整理したり、記録を読んだりする中で 5年前、10年前、もっと前の自分が見えた。 頑張っていたな〜一生懸命だったな〜未熟だったけどね。 そして、たくさんの人にお世話になった。 忘れていた方々の名前も出てきた。 月並みな言葉だけど「ありがとうございました」 反省ばかり思い浮かぶ、恥ずかしいくらい。 でも、過去に遡ることはできないから 今、出来ること…
ラザニアの夜
昨日は保育園のお迎え当番の水曜日。 帰り道に寄った夜の公園。 コートを脱いで風の子ひとり(背が伸びて大きくなりました)。 のびのびと、私とふたり鬼ごっこ。 この歳でこんなこと出来て「幸せだよね」と自分に言い聞かせる。 人気の去ったこんな時間、昼間とは違う木々の表情が美しい。 空気も澄んでいるような気がして気持ちも良い。 5歳の子どもが、こんな時間に公園で遊ぶなんてと、一瞬そう思うのは古いのかな。 私の脳みそ、一生懸命バージョンアップする。 思わず撮った数枚の写真。 本当はもっとキラキラしていたんだけど。 帰宅するとラザニアの夜が始まった。 夫も合流して娘の手料理のご相伴だ。 文化村の会期が近い…
DM
今日、80枚のDM出しました。 私のDMは近況報告と思ってます。 Bunkamuraクラフトコレクションから支給されたハガキは作品の写真が無いので 独自にフライヤーを作って活動の内容が見えるように工夫したつもりです。 こんなの出して相手にどう思われるかな〜って一応考えるけど そこは深読みしないで 「エイ、ヤー!!」って出しちゃう。 それで来てくれたら嬉しいし、来てくれなくてもご挨拶がつながって良かったとする。 その作業が一瞬、面倒臭くて大変と思うけど 差出人がお客様というか友達というか、そんな感じだから 手紙好きの私にとっては意外に楽しく、一言メッセージを書くのである。 書いているうちに、楽し…
kyoko帽
kyoko帽、納品しました。 プチプラだからビジネスにはならないのだけど 納品するときにはとても嬉しいのは何故だろう。 言ってみれば私の子どもであるKYOKO帽が ささやかに誰かさんのお役に立ってると思えるからかな。 手作りをする者からすると、恐ろしいくらい安価な洋服などが溢れているこの頃 手仕事の文化が消えてしまうのではと思う。 でも、そんな心配に抗うように私は帽子を仕事として続けてゆこうと思う。 例え、ビジネスにはならなくても 自分が鍛えられ磨かれ成長する事ができれば、それはお金には代えられない。 嫌な事があってもアトリエに降りて仕事を見れば 私にはこれがあると思える。 作品に集中すること…
お出かけ
歯医者さんは紹介で虎ノ門まで通っている。 良い歯医者さんとの出会いは寿命を伸ばすと思って 少し遠いのだけど頑張ってる。 そんな時の楽しみは 良く頑張っている娘も誘ってのランチである。 医者通いを楽しいお出かけにしちゃうのだ。 寒いのか暖かいのか微妙なお天気のコーデは アトリエKYOKOオリジナルの一枚仕立てのコート。↑ 中に着ているのはケンゾーのブラウス(ポリエステル100)。 もう、ずっと前に確か札幌で買ったもの。 こんなブラウスはとても便利。 タートルネックのセーターに羽織ってもいいし、Tシャツの上でもOKだから。 元気カラーが気に入って長く着ている。 こんな風に長く着ることができる洋服、…
秋を探しに
保育園に通っている孫がそう言っていたんです。 「秋を探しにどこどこ公園に行ったんだよ〜」って。 ああ、いい言葉だなと思っていて 今日のタイトルにいただきました。 私といえば相変わらず、焦る気持ちは空の向こうに放り投げたはずなんだけど 気がつくとブーメランのように戻ってきちゃってフニャフニャするから いっそのこと歩こうと思った昨日のこと。 孫の真似して、秋を探してきました。 田舎道を1時間くらい歩いたら気持ちも良いだろうと思うけど 足元の秋を探すのも悪くない。 地下鉄の駅の裏手から公園に続く道に入ると まず、踏み締めた足元で輝く落ち葉に目が留まった。 それは午後の陽の光を受けてキラキラして 本当…
左手の料理
あまりテレビを見ないのだけど たまたま、食事の時にパチンとつけたテレビで 「左手で作る料理」と言う番組をやっていた。 「え〜っ!!」と驚きと共に見入ってしまった。 13年前に脳出血で倒れた元人気パティシエの岡田吉之さん 右半身に麻痺がありながら、再び、料理をするようになり その様子を撮った番組だった。 とにかく彼の表情が楽しげにイキイキしていて、こちらまで元気になる。 思わずメモした言葉は 「シンプルに作って美味しく食べる。でこぼこが手作りの良さ」 「人生ってもっと大切なことがたくさんあることに気づいた」 そうだよそうだよ、、、 どこか私のこと?と思わされながら引き込まれた。 そう、私の帽子も…
バランス
昨日の投稿で電動ポットをやめてお湯を沸かすことで 白湯を美味しくいただいていると書いたのだが、、、 白湯が美味しいということは緑茶も紅茶も美味しいのでは? と思ってお茶を入れてみると、確かに美味しい!嬉しい!! (なんだ、今頃そんなこと言ってるの?って言われちゃうわね) そこで、ふと考えた。 つまり、清水を汲んで薪で火を起こして沸かしたら、もっと美味しいのかもと。 そう、山奥で空気も澄んでいて、、、 でも、それは無理だから、日常的には諦めて現実とのバランスを取る必要があるわけだ。 できる範囲で理想を追い求める。 普通に自然に行っている事だと思うけど、そのバランス意外と難しい時もある。 実は私の…