手作り帽子、

修行時代

修行時代

修行時代のことを今日は書いてみます。 神様のように慕っていた母が亡くなって、ポッカリ穴が空いた私だった。 1981年、母49歳、私23歳。 そんな時、彫刻家の従兄弟が「帽子やらないか」と薦めてくれた。 帽子なんて全然興味が無かったけれど 国立のそのアトリエに行ったその時から魅了されて 即決、「私、やります!」と言ったのでした。 当時、確か65歳の関民帽子作家の 半地下になったアトリエは木の優しさと手作りの温もりと帽子たちがキラキラしていた。 もともと手仕事が嫌いでは無かったし 20歳そこそこの小娘には従分すぎるほど魅力的だった。 アトリエの奥は住まいとご主人(彫刻家関頑亭)の工房で 早速そのキ…

ばらが咲いたよ

ばらが咲いたよ

アトリエの奥のばらが咲きました。 本当に情けないほど手入れのできないばらですが 音もなく静かに咲いてくれます。 香りもして、確かな存在感。 いただきもののマダムヨセフシュワルツ、まるで野生のばら。 今年も咲いてくれてありがとう。 心のために、枝をはらって花瓶に入れた。 掃除をしたり、メガネを作りに行ったり 今日もほんの少ししか帽子の時間は持てなかったけど こんな1日もありだ。 焦らないで、でも頑張る!バラを見ているとそう思える。 ************************* いつもお読みくださりありがとうございます。 友達に手紙を書くように書いています。 気ままな私の帽子ものがたり、良か…

ピンタックキャスケット

ピンタックキャスケット

ヨガで始まった昨日の日曜日、 レッスンは少し失敗が多かったが、必死で集中する2時間。 一生懸命の後の清々しさがある。 失敗しても清々しいなんて、年齢を重ねて図々しくなったのかな。 ランチは前回と同じお店で鍋焼きご飯なるものを食す。 おにぎりが鍋に入っているアイデア、こんど自分でも作ってみよう。 帰宅後、選挙、そして草取り、そして仕事、盛りだくさんの1日だった。 時々疲れるのは、やりたい事がたくさんあるから仕方ない。 そのいろいろを宝石に見立てて繋いで ネックレスのように首にかけて暮らすという 最近習い始めたエッセイ教室の先生の言葉を自分の1日に重ねる。 ネックレスの一番大きな宝石である帽子づく…

のり弁

のり弁

孫はのり弁が大好き。 以前、伊勢丹で「究極ののり弁」という宣伝を見た。 「あ、これはいいかも」と 仕事が忙しかった時に、それを買って持参した、、、。 ところが「グランマののり弁の方が美味しい」と嬉しいお言葉。 そう言われちゃあ辞められない。 週一回ののり弁が続いている。 前の晩から糠味噌とか煮物とか仕込みは少しずつして 冷凍の伊達巻きも解凍を忘れない。 そう、生活クラブの冷凍食品は外せなくなった。 この頃は退職した夫も一緒に行くから4人分だ。 一人で食べるより、みんなで食べた方が食育的にもいいかなと思って。 つい頑張ってしまう。 生活クラブのフライドチキン、にんじんサラダ、油揚げと青菜の煮浸し…

ART BOX

ART BOX

アートボックス社と言うところからお声がかかって 本の出版に写真で参加することになった。 その締切があり、少し忙しかったこの頃である。 ようやく一区切りがついて、庭の草取りもできると思っていたら 子どものいない身内の不幸があり 急遽、夫が喪主になるというバタバタが始まった。 それでブログの更新もできないでいた。 人生いろいろな事が起きるものである。 その度に、様々な気持ちを味合わせてもらう。 それは生きている証拠だ。 そして存分に鍛えてもらおう。 94歳、義叔母は本当に良く頑張った。 冥福を祈るばかりだ。 さて、写真はその本『Handmade Creators File Ⅳ』 に掲載予定の作品の…

未熟さに気づく旅

未熟さに気づく旅

ずっと取り組んでいた帽子があともう少しで完成するかな?という時に 娘から洋服のお直しを頼まれた。 やれやれ、お直しって簡単じゃないんだけどと 不平がましい気持ちのまま断れない。 幸いにもホックを付けるなど、まあ、簡単な作業に それでも下手くそな自分がいて四苦八苦。 現場のこの苦労わかってもらえないだろうなと思うとき また、フツフツと曇った心が湧いてくる。 そんな時、母を思い出した。 私が結婚する前に母は亡くなっているので 大人になってから母に何か頼む経験が無い。 結婚式の支度など心細かったものだ。 母に頼りたかったけど出来なかった色々を だからこそ娘に対して出来ることが幸いなのに 仕事を抱えて…

小さな春

小さな春

スプリングハズカム、私の小さな庭にも春が来た。 だから小さな春。 もう、この頃はすっかりお庭に降りる時間がなくて不本意だけど それでも春はやってくる。 お庭に降りる時間が無かったのは 締切のある作品作りにはまっていたから。 なぜ、こんな仕事を引き受けてしまったかと少し後悔もしたけど とても充実した楽しさも味わっています。 以前作った作品の変形バージョンですが 作り方忘れてしまって苦労しました。 まだ、完成していないけど形になってきて 今日は嬉しく夕方を迎えました。 ご年配の可愛らしい方にかぶっていただきたいな〜っていう帽子です。 さ、また明日、頑張ろうっと。 *****************…

リ*スタート

リ*スタート

1998年、当時の私38歳。 夫の転勤で札幌へ行き、新しい自分に出会った。 息子の幼稚園のバザーで帽子を出品してママ友に絶賛されて それが嬉しくて、私は煽てられた子豚ちゃんになってしまった。 札幌という風土のおおらかさに触発されたのもあって勢いがつき 帽子づくりを再スタートしたのだ。 もともと、帽子アトリエに丁稚奉公した経験があり、その下地はあったものの 長く続かなくて封印されていた。 当時、「自分探し」という言葉も流行っていたっけ。 主婦というだけでない何かが欲しかったのだと思う。 下の子が小学生になったのもも良いタイミングだった。 3LDKの一部屋をアトリエにして、ひとりぼっち家内制手工業…

お誕生日プレゼント

お誕生日プレゼント

お嬢さまへお誕生日のプレゼントにと ベレー帽をご注文くださいましたお客様へ 先日、やっとできてお渡ししました。 サプライズは成功したでしょうか。 日差しが明るくなってきたので これからの季節が待ち遠しくなる贈り物になりました。 表地は麻、裏地は綿オーガン、軽いかぶり心地です。 ささやかにプレゼントの包装、お嬢さまのお幸せをお祈りして。 帽子は人生を豊かにします。 夢のあるアイテムです。 母から娘へ、手作りの一点物を贈るなんて素敵です。 アトリエKYOKOをセレクトして頂き光栄です。 ありがとうございました。 ************************* いつもお読みくださりありがとうござ…

今日はここまで

今日はここまで

「今日はここまで」と言う言葉が頭の中に響いている。 文筆家山本ふみこさんのYouTubeから頂いた言葉である。 人生の引き出しをネックレスのように色々繋いで楽しんで生きるために 「今日はここまで」と自分に言って、例えば仕事を終えて料理する、と話していた。 もうちょっともうちょっとと、帽子作りをやめられない夕方 後ろ髪引かれてキッチンへ行くような、そんな自分であったから 胸にズキンときた。 また、自分の未熟さに気づいてしまい ちょっとへこんでから起き上がる。 反省は未来に活かして、曇りのち晴れとするっきゃない。 今日から私も「今日はここまで」と自分に言って 帽子や料理や色々を宝石繋ぐネックレスの…