アトリエKYOKO

枯れる美しさ

枯れる美しさ

数年前、ヒヤシンスに凝っていた。 小さな植木鉢にたくさんのヒヤシンスを植えてお店の前に飾った。 だけど、一つか二つだったけど植木鉢ごと盗まれて すっかり嫌になってしまった。 花が終わったときに裏庭に地植えした。 それが今年、元気に咲いたと思ったら雨に打たれて地面に平伏していた。 あらあらと瓶に挿してアトリエに置く。 すると、どうだろう。 アトリエに香りが満ちた。 さて、日一日と時が過ぎ、しぼんでゆくのを目の当たりにする。 でも、美しいと思う。 枯れる美しさ、自分に置き換えているのか、なかなか捨てられない。 比べないでそれだけ見ていれば美しさは見える。 だから私だけ見ていて笑。 ********…

未熟さに気づく旅

未熟さに気づく旅

ずっと取り組んでいた帽子があともう少しで完成するかな?という時に 娘から洋服のお直しを頼まれた。 やれやれ、お直しって簡単じゃないんだけどと 不平がましい気持ちのまま断れない。 幸いにもホックを付けるなど、まあ、簡単な作業に それでも下手くそな自分がいて四苦八苦。 現場のこの苦労わかってもらえないだろうなと思うとき また、フツフツと曇った心が湧いてくる。 そんな時、母を思い出した。 私が結婚する前に母は亡くなっているので 大人になってから母に何か頼む経験が無い。 結婚式の支度など心細かったものだ。 母に頼りたかったけど出来なかった色々を だからこそ娘に対して出来ることが幸いなのに 仕事を抱えて…

小さな春

小さな春

スプリングハズカム、私の小さな庭にも春が来た。 だから小さな春。 もう、この頃はすっかりお庭に降りる時間がなくて不本意だけど それでも春はやってくる。 お庭に降りる時間が無かったのは 締切のある作品作りにはまっていたから。 なぜ、こんな仕事を引き受けてしまったかと少し後悔もしたけど とても充実した楽しさも味わっています。 以前作った作品の変形バージョンですが 作り方忘れてしまって苦労しました。 まだ、完成していないけど形になってきて 今日は嬉しく夕方を迎えました。 ご年配の可愛らしい方にかぶっていただきたいな〜っていう帽子です。 さ、また明日、頑張ろうっと。 *****************…

リ*スタート

リ*スタート

1998年、当時の私38歳。 夫の転勤で札幌へ行き、新しい自分に出会った。 息子の幼稚園のバザーで帽子を出品してママ友に絶賛されて それが嬉しくて、私は煽てられた子豚ちゃんになってしまった。 札幌という風土のおおらかさに触発されたのもあって勢いがつき 帽子づくりを再スタートしたのだ。 もともと、帽子アトリエに丁稚奉公した経験があり、その下地はあったものの 長く続かなくて封印されていた。 当時、「自分探し」という言葉も流行っていたっけ。 主婦というだけでない何かが欲しかったのだと思う。 下の子が小学生になったのもも良いタイミングだった。 3LDKの一部屋をアトリエにして、ひとりぼっち家内制手工業…

お誕生日プレゼント

お誕生日プレゼント

お嬢さまへお誕生日のプレゼントにと ベレー帽をご注文くださいましたお客様へ 先日、やっとできてお渡ししました。 サプライズは成功したでしょうか。 日差しが明るくなってきたので これからの季節が待ち遠しくなる贈り物になりました。 表地は麻、裏地は綿オーガン、軽いかぶり心地です。 ささやかにプレゼントの包装、お嬢さまのお幸せをお祈りして。 帽子は人生を豊かにします。 夢のあるアイテムです。 母から娘へ、手作りの一点物を贈るなんて素敵です。 アトリエKYOKOをセレクトして頂き光栄です。 ありがとうございました。 ************************* いつもお読みくださりありがとうござ…

今日はここまで

今日はここまで

「今日はここまで」と言う言葉が頭の中に響いている。 文筆家山本ふみこさんのYouTubeから頂いた言葉である。 人生の引き出しをネックレスのように色々繋いで楽しんで生きるために 「今日はここまで」と自分に言って、例えば仕事を終えて料理する、と話していた。 もうちょっともうちょっとと、帽子作りをやめられない夕方 後ろ髪引かれてキッチンへ行くような、そんな自分であったから 胸にズキンときた。 また、自分の未熟さに気づいてしまい ちょっとへこんでから起き上がる。 反省は未来に活かして、曇りのち晴れとするっきゃない。 今日から私も「今日はここまで」と自分に言って 帽子や料理や色々を宝石繋ぐネックレスの…

今朝の料理

今朝の料理

数日前の料理ですけど朝から作るから「今朝の料理」。 久しぶりのアサリのチャウダーです。 スーパーで半額に値下げされていた牛乳の消費期限が迫っていたから 牛乳を使うメニュー何にしようか〜と考えて 寒いからチャウダーにしようって訳です。 乳製品は日本人に合わないと言う人がいて その食べ合わせにキノコを食べると良いと本に書いてあった。 冷蔵庫にキノコはなかったけど、干し椎茸ならあった事を思い出してそれを活用。 少し安心のチャウダーになった。 ホワイトソースは少量のバターとオリーブオイルで 小麦粉の代わりに米粉があった、ラッキー! 主食はレモン汁を効かせた玄米サラダ。 赤く光っているのは何と糠漬けの人…

ネギ味噌

ネギ味噌

朝から娘から電話、というかフェイスタイム。 「ネギ味噌ってどこからの情報?」と。 ネギ味噌とは孫の鼻水対策で作ったもので こんなもの子どもが好むかなと思いきや好評をいただき 以来、定番化している。 友永ヨガ学院指導者養成コースでは食べ物の勉強もするのだが その時の講師の著書からだの自然治癒力を引き出す食事と手当 にその作り方が書いてある。 刻んだネギに同量の味噌、そこに熱湯を注ぐだけの簡単なものだけど 「どうしてお出汁で作ってはいけないの?」と娘が言う。 これが聞きたかったわけね。 その時は「マクロビの世界では煮干しや鰹節も使わないからね〜」くらいにしか答えられなかったけど。 動物性タンパク質…

小さな不満

小さな不満

夫と二人暮らしで、私は帽子を作っている。 自分一人で始めて、一人で作る、はだか一貫の帽子屋だ。 その暮らしの中で、大きな比重を占めるのがごはん作りだ。 帽子もごはんも作ることは好きだけど、時に大変になることもある。 例えば、アトリエで針を持ちながら、夜ごはんの心配をしている。 「あ、冷凍してあった納豆を出して解凍しなきゃ」とか 「ごはんのスイッチ入れ忘れた〜」とか頭はクルクルと忙しい。 そんな感じで、やっとまあ満足なごはんが整う。 食べる事は生きる喜びだし、何よりも健康のために侮れない。 ただ、アトリエが一階、キッチンが二階ときているから良い運動にはなるが その上り下りには、いちいち閉口する。…

窓

アトリエには通りに面して小さな窓がある。 この窓が好きだ。 ただ、今までは仕事や家事に追われて 作品を飾ってみたり、放ったらかしになっていたり 気まぐれ状態であった。 でも、この頃、通りがかりの人に話しかけるような気持ちで言葉も添えて飾っている。 誰とも分からない相手と会話しているみたいで意外と楽しい、再発見だ。 以前からそのようにした事も確かあったのだが だからと言って、目に見える何かしらの反応があるわけでもなく やってもやらなくても同じ〜と感じたのも事実、 いつしか、すっかりうっかり忘れていた。 そうなのだ、人間は、大切だと気がついていても、つい、忘れることがある。 忙しくしていれば尚更だ…