kyoko帽、納品しました。 プチプラだからビジネスにはならないのだけど 納品するときにはとても嬉しいのは何故だろう。 言ってみれば私の子どもであるKYOKO帽が ささやかに誰かさんのお役に立ってると思えるからかな。 手作りをする者からすると、恐ろしいくらい安価な洋服などが溢れているこの頃 手仕事の文化が消えてしまうのではと思う。 でも、そんな心配に抗うように私は帽子を仕事として続けてゆこうと思う。 例え、ビジネスにはならなくても 自分が鍛えられ磨かれ成長する事ができれば、それはお金には代えられない。 嫌な事があってもアトリエに降りて仕事を見れば 私にはこれがあると思える。 作品に集中すること…
左手の料理
あまりテレビを見ないのだけど たまたま、食事の時にパチンとつけたテレビで 「左手で作る料理」と言う番組をやっていた。 「え〜っ!!」と驚きと共に見入ってしまった。 13年前に脳出血で倒れた元人気パティシエの岡田吉之さん 右半身に麻痺がありながら、再び、料理をするようになり その様子を撮った番組だった。 とにかく彼の表情が楽しげにイキイキしていて、こちらまで元気になる。 思わずメモした言葉は 「シンプルに作って美味しく食べる。でこぼこが手作りの良さ」 「人生ってもっと大切なことがたくさんあることに気づいた」 そうだよそうだよ、、、 どこか私のこと?と思わされながら引き込まれた。 そう、私の帽子も…
タロット
文化村クラフトコレクションの会期が近づいて心が忙しい。 焦らないで〜と思っているのに、やっぱり焦っている。 ちょっと風を入れようかな〜と 友人の占い師がイベント出店しているというので ひょっこりお邪魔した。 「もう十分頑張っているから、 どーんと構えて他の人と比べないで。 自分の真の気持ちを喜ばせるように製作すれば良いんじゃない? 根を詰めないでってカードが言っているよ。 ゆっくり休むことも必要、でないと優先順位を間違えるから」 上記はそこからいただいたメッセージだ。 そうだそうだと思っていた事でも、人から言ってもらうとまた違う。 背中が押されて力が生まれる、人の力ってすごいな。 カードはその…
赤い実
アトリエの赤い実がカラカラ笑っている。 何も言わないけれどいつの間にか、すっかり色づいて 季節が動いていることを伝えている。 こんなに可愛いのに名前も忘れてしまってごめんね。 でもね、通るたびに挨拶しているよ、ありがとう。 さて、アトリエでは今、ケープのトワル製作中。 コートの上に羽織る可愛いケープ。 大判のストールを羽織る感覚で肩を温めたいと思ったの。 できるだけ軽く、可愛く。 左右の違いはデザインを検討中のため。 左側、右側、どちらがお好き? 今日はひとまず帽子に戻る。 ちょっと置いておいて、チラ見しながらひらめきを待つ。 ドキドキしながらワクワクしながら丁寧に向き合う。 もちろんそれは大…
KYOKO
先日のbunnkamuraの打ち合わせで嬉しかったこと。 一回だけお目にかかったことはあったけど、その担当者が私が部屋に入るなり 「KYOKOさん!」と声をかけてくれたことだ。 名前を呼ばれて嬉しかったのだ。 子供の頃から家族からも「きょうこ」とは呼ばれなかった。 なぜだろう、よくわからないけど気がつくと 「ちーちゃん」とか「いーちゃん」とか呼ばれていた。 なぜなら小さいから、とか良い子だから、とか。 それはあまり嬉しくなかったけど、物心ついた頃から自分からそう呼んでいたから 改めて直すことも難しいなか大人になってしまった。 友達からも苗字で呼ばれることが多くて、そんな自分を払拭したくて 帽子…
bunnkamura
昨日は文化村クラフトコレクションの打ち合わせだった。 初めて出展するので少々緊張していたけど 対応してくれたスタッフの方々、とても親切で安心した。 きっと良い展示会になりそう! 普段、作ることに精一杯でなかなか街中へ遊びに行かれないから 文化村、名前だけは知っていたけど、、、 改めて素敵な場所でした。 私の展示場所はギャラリーから離れて、オープンカフェに面した通路。 広さもゆったりしているし、通路とは言えなかなか良い感じ。 コンサートや演劇、美術鑑賞などなど、文化の集まる素敵な場所だけあって お洒落した女性たちが集まる様子が目に浮かぶ。 ここに期間限定の自分のお店が出せるなんて嬉しい。 ぜひ、…
タオル
お洒落だな〜と心に残っていることがある。 それはマタニティークラスで知り合った仲間の家でのこと。 35年くらい前のこと。 古い家にお住まいだったんだけど 居心地の良いお宅で色々と印象に残っている事がある。 その一つ。 白い浴用タオル、、、ほら、引っ越しの挨拶とかで配るあれ。 ふかふかして高級感のあるそれとは違うけれど 実は結構使いやすいですよね。 それを使い古してもまだ使えるけれど、くたびれると見栄えが悪い、、、。 ところがそのお宅では 古めかしい広めの洗面所にきちんと揃えて重ねて 素敵に見違えるように置いてあったのだ。 「えっ?古いタオルでも扱い方でお洒落になる〜」と感動した私。 良いことは…
真珠織
密かに真珠織の絨毯が欲しいと思っています。 それで、それを見に大磯世代工房まで行ってきました。 孫を連れているけど大人の遠足です。 本当に素敵なところなのです。 改めて多くの方に、写真だけでもご紹介したくなって書いています。 まず、入口のステンドグラスのお部屋が素晴らしい。 そして手前に置いてある象鯨彫刻家具 使えるように作った彫刻作品ですが、その存在感も半端ない。 アトリエがあって中庭があって鳥が放し飼いになっていて、、、 片付いていないところもアートになっている、普通じゃありません。 気取って言うとインスパイアーされるっていうか 子どもたちに見せたいっていうか触れてもらいたいというか 孫も…
紅葉の妖精
夫がお世話になっている病院は我が家からはバスを使って その後、公園を通り抜けてゆく。 その道が好きで病院まで同行する。 雨が降る今日も、雨もまた良しと歩いてきた。 今日は製作も詰まっていたから診察はスルーして一人で帰宅。 マイナスイオンがたっぷりの小雨の中 思わず足が止まった。 緑の紅葉が私の前をトンネルみたいに覆っていて 何か話しかけられたように感じたから。 一人で歩くのも好きなのは、こんなことがあるから。 なんて言ってるんだろう、、、紅葉の妖精たち。 言葉は出てこなかったけど気配は確かにある、そんな事はありませんか? 後ろを振り返ると葉を支える太い幹が、、、 小さな感動から今日も始まった。…
関民先生の思い出
どうして帽子を始めたのか(「帽子との出会い」)は先日書かせてもらった。 そうとは知らずに丁稚奉公としてアトリエに入った私の衝撃を想像して欲しいのだが 今となっては本当に懐かしい、貴重な体験をさせてもらった。 なにしろ恥ずかしくなるほど未熟だった私を、先生はどんな目で眺めていたのだろう。 今、印象に残っている言葉は、初めてミシンを踏む時に 「一目一目心を込めて踏むのよ〜」と。 それから、こうも言った 「あなたは一生、帽子を作るわね、かわいそうに」 そして「優雅に帽子を作りなさい」とも。 また「オーダーを受けちゃダメよ」と釘を刺されたこともある。 どうして帽子を作り続けることがかわいそうなの? 優…