私の帽子ものがたり

未熟さに気づく旅

未熟さに気づく旅

ずっと取り組んでいた帽子があともう少しで完成するかな?という時に 娘から洋服のお直しを頼まれた。 やれやれ、お直しって簡単じゃないんだけどと 不平がましい気持ちのまま断れない。 幸いにもホックを付けるなど、まあ、簡単な作業に それでも下手くそな自分がいて四苦八苦。 現場のこの苦労わかってもらえないだろうなと思うとき また、フツフツと曇った心が湧いてくる。 そんな時、母を思い出した。 私が結婚する前に母は亡くなっているので 大人になってから母に何か頼む経験が無い。 結婚式の支度など心細かったものだ。 母に頼りたかったけど出来なかった色々を だからこそ娘に対して出来ることが幸いなのに 仕事を抱えて…

中野通りの桜が咲きました

中野通りの桜が咲きました

KYOKO帽の納品、お教室、孫のお迎え、そして打ち合わせもあった。 ふ〜っ、先週の忙しさったらなかったと振り返る今日は日曜日。 前回の更新から1週間が過ぎました。 今日は久しぶりに中野どおりのスタバに桜を見に出かけ その後、お庭に降りて草取りを30分して 先週のバタバタ感を仕切り直すようにスタートしました。 締切のある製作は大変だけど、だからこその充実感ありがたい。 孫は大変だけど元気ももらえる。 お料理も素材の輝き、味付けの妙、美味しいという幸せ感は外せない。 お掃除だって劣等生なりの達成感スッキリ感、ありがたし。 お散歩する心地よさ、朝は格別。 そう、やりたいこと色々を 宝石で輝くネックレ…

リ*スタート

リ*スタート

1998年、当時の私38歳。 夫の転勤で札幌へ行き、新しい自分に出会った。 息子の幼稚園のバザーで帽子を出品してママ友に絶賛されて それが嬉しくて、私は煽てられた子豚ちゃんになってしまった。 札幌という風土のおおらかさに触発されたのもあって勢いがつき 帽子づくりを再スタートしたのだ。 もともと、帽子アトリエに丁稚奉公した経験があり、その下地はあったものの 長く続かなくて封印されていた。 当時、「自分探し」という言葉も流行っていたっけ。 主婦というだけでない何かが欲しかったのだと思う。 下の子が小学生になったのもも良いタイミングだった。 3LDKの一部屋をアトリエにして、ひとりぼっち家内制手工業…

お誕生日プレゼント

お誕生日プレゼント

お嬢さまへお誕生日のプレゼントにと ベレー帽をご注文くださいましたお客様へ 先日、やっとできてお渡ししました。 サプライズは成功したでしょうか。 日差しが明るくなってきたので これからの季節が待ち遠しくなる贈り物になりました。 表地は麻、裏地は綿オーガン、軽いかぶり心地です。 ささやかにプレゼントの包装、お嬢さまのお幸せをお祈りして。 帽子は人生を豊かにします。 夢のあるアイテムです。 母から娘へ、手作りの一点物を贈るなんて素敵です。 アトリエKYOKOをセレクトして頂き光栄です。 ありがとうございました。 ************************* いつもお読みくださりありがとうござ…

今日はここまで

今日はここまで

「今日はここまで」と言う言葉が頭の中に響いている。 文筆家山本ふみこさんのYouTubeから頂いた言葉である。 人生の引き出しをネックレスのように色々繋いで楽しんで生きるために 「今日はここまで」と自分に言って、例えば仕事を終えて料理する、と話していた。 もうちょっともうちょっとと、帽子作りをやめられない夕方 後ろ髪引かれてキッチンへ行くような、そんな自分であったから 胸にズキンときた。 また、自分の未熟さに気づいてしまい ちょっとへこんでから起き上がる。 反省は未来に活かして、曇りのち晴れとするっきゃない。 今日から私も「今日はここまで」と自分に言って 帽子や料理や色々を宝石繋ぐネックレスの…

小さな不満

小さな不満

夫と二人暮らしで、私は帽子を作っている。 自分一人で始めて、一人で作る、はだか一貫の帽子屋だ。 その暮らしの中で、大きな比重を占めるのがごはん作りだ。 帽子もごはんも作ることは好きだけど、時に大変になることもある。 例えば、アトリエで針を持ちながら、夜ごはんの心配をしている。 「あ、冷凍してあった納豆を出して解凍しなきゃ」とか 「ごはんのスイッチ入れ忘れた〜」とか頭はクルクルと忙しい。 そんな感じで、やっとまあ満足なごはんが整う。 食べる事は生きる喜びだし、何よりも健康のために侮れない。 ただ、アトリエが一階、キッチンが二階ときているから良い運動にはなるが その上り下りには、いちいち閉口する。…

窓

アトリエには通りに面して小さな窓がある。 この窓が好きだ。 ただ、今までは仕事や家事に追われて 作品を飾ってみたり、放ったらかしになっていたり 気まぐれ状態であった。 でも、この頃、通りがかりの人に話しかけるような気持ちで言葉も添えて飾っている。 誰とも分からない相手と会話しているみたいで意外と楽しい、再発見だ。 以前からそのようにした事も確かあったのだが だからと言って、目に見える何かしらの反応があるわけでもなく やってもやらなくても同じ〜と感じたのも事実、 いつしか、すっかりうっかり忘れていた。 そうなのだ、人間は、大切だと気がついていても、つい、忘れることがある。 忙しくしていれば尚更だ…

賜り物

賜り物

還暦を過ぎて良かったなと思うことの一つ 未熟だった自分がよく見えるようになったことだ。 若い頃には気づかないほど、目の前のことに夢中だった。 だから、あの人にもこの方へも、いろんな人に謝りたい、そんな気持ちだ。 その一つ、帽子の大先生に謝りたい気持ちがいっぱいで 文化村のご案内を添えて謝罪のお手紙を出した。 目の前の帽子に夢中で不義理者の私でしたがお陰様で頑張ってますよ〜 そんな意味合いである。 ところが先生はすでに別の場所で隠居されていて お嬢さんから届いた丁寧なお手紙には 不要な木型を欲しい方はいらっしゃいませんかと、あった。 先生は敬虔なクリスチャンで「賜り物」という言葉をよく使っていた…

考える日

考える日

週末は寒中見舞いを書いた。 年末は出展でそれどころではなく今頃のご挨拶 相変わらずマイペースなんだな〜 すごーく一生懸命にやっているつもりなんだけど 結局、呑気なものだ。 さて、今日は考える日だった。 テーマは2023年のアトリエKYOKO。 ファイルを整理したり、記録を読んだりする中で 5年前、10年前、もっと前の自分が見えた。 頑張っていたな〜一生懸命だったな〜未熟だったけどね。 そして、たくさんの人にお世話になった。 忘れていた方々の名前も出てきた。 月並みな言葉だけど「ありがとうございました」 反省ばかり思い浮かぶ、恥ずかしいくらい。 でも、過去に遡ることはできないから 今、出来ること…

ラザニアの夜

ラザニアの夜

昨日は保育園のお迎え当番の水曜日。 帰り道に寄った夜の公園。 コートを脱いで風の子ひとり(背が伸びて大きくなりました)。 のびのびと、私とふたり鬼ごっこ。 この歳でこんなこと出来て「幸せだよね」と自分に言い聞かせる。 人気の去ったこんな時間、昼間とは違う木々の表情が美しい。 空気も澄んでいるような気がして気持ちも良い。 5歳の子どもが、こんな時間に公園で遊ぶなんてと、一瞬そう思うのは古いのかな。 私の脳みそ、一生懸命バージョンアップする。 思わず撮った数枚の写真。 本当はもっとキラキラしていたんだけど。 帰宅するとラザニアの夜が始まった。 夫も合流して娘の手料理のご相伴だ。 文化村の会期が近い…