私の帽子ものがたり

赤い実

赤い実

アトリエの赤い実がカラカラ笑っている。 何も言わないけれどいつの間にか、すっかり色づいて 季節が動いていることを伝えている。 こんなに可愛いのに名前も忘れてしまってごめんね。 でもね、通るたびに挨拶しているよ、ありがとう。 さて、アトリエでは今、ケープのトワル製作中。 コートの上に羽織る可愛いケープ。 大判のストールを羽織る感覚で肩を温めたいと思ったの。 できるだけ軽く、可愛く。 左右の違いはデザインを検討中のため。 左側、右側、どちらがお好き? 今日はひとまず帽子に戻る。 ちょっと置いておいて、チラ見しながらひらめきを待つ。 ドキドキしながらワクワクしながら丁寧に向き合う。 もちろんそれは大…

KYOKO

KYOKO

先日のbunnkamuraの打ち合わせで嬉しかったこと。 一回だけお目にかかったことはあったけど、その担当者が私が部屋に入るなり 「KYOKOさん!」と声をかけてくれたことだ。 名前を呼ばれて嬉しかったのだ。 子供の頃から家族からも「きょうこ」とは呼ばれなかった。 なぜだろう、よくわからないけど気がつくと 「ちーちゃん」とか「いーちゃん」とか呼ばれていた。 なぜなら小さいから、とか良い子だから、とか。 それはあまり嬉しくなかったけど、物心ついた頃から自分からそう呼んでいたから 改めて直すことも難しいなか大人になってしまった。 友達からも苗字で呼ばれることが多くて、そんな自分を払拭したくて 帽子…

bunnkamura

bunnkamura

昨日は文化村クラフトコレクションの打ち合わせだった。 初めて出展するので少々緊張していたけど 対応してくれたスタッフの方々、とても親切で安心した。 きっと良い展示会になりそう! 普段、作ることに精一杯でなかなか街中へ遊びに行かれないから 文化村、名前だけは知っていたけど、、、 改めて素敵な場所でした。 私の展示場所はギャラリーから離れて、オープンカフェに面した通路。 広さもゆったりしているし、通路とは言えなかなか良い感じ。 コンサートや演劇、美術鑑賞などなど、文化の集まる素敵な場所だけあって お洒落した女性たちが集まる様子が目に浮かぶ。 ここに期間限定の自分のお店が出せるなんて嬉しい。 ぜひ、…

タオル

タオル

お洒落だな〜と心に残っていることがある。 それはマタニティークラスで知り合った仲間の家でのこと。 35年くらい前のこと。 古い家にお住まいだったんだけど 居心地の良いお宅で色々と印象に残っている事がある。 その一つ。 白い浴用タオル、、、ほら、引っ越しの挨拶とかで配るあれ。 ふかふかして高級感のあるそれとは違うけれど 実は結構使いやすいですよね。 それを使い古してもまだ使えるけれど、くたびれると見栄えが悪い、、、。 ところがそのお宅では 古めかしい広めの洗面所にきちんと揃えて重ねて 素敵に見違えるように置いてあったのだ。 「えっ?古いタオルでも扱い方でお洒落になる〜」と感動した私。 良いことは…

真珠織

真珠織

密かに真珠織の絨毯が欲しいと思っています。 それで、それを見に大磯世代工房まで行ってきました。 孫を連れているけど大人の遠足です。 本当に素敵なところなのです。 改めて多くの方に、写真だけでもご紹介したくなって書いています。 まず、入口のステンドグラスのお部屋が素晴らしい。 そして手前に置いてある象鯨彫刻家具 使えるように作った彫刻作品ですが、その存在感も半端ない。 アトリエがあって中庭があって鳥が放し飼いになっていて、、、 片付いていないところもアートになっている、普通じゃありません。 気取って言うとインスパイアーされるっていうか 子どもたちに見せたいっていうか触れてもらいたいというか 孫も…

紅葉の妖精

紅葉の妖精

夫がお世話になっている病院は我が家からはバスを使って その後、公園を通り抜けてゆく。 その道が好きで病院まで同行する。 雨が降る今日も、雨もまた良しと歩いてきた。 今日は製作も詰まっていたから診察はスルーして一人で帰宅。 マイナスイオンがたっぷりの小雨の中 思わず足が止まった。 緑の紅葉が私の前をトンネルみたいに覆っていて 何か話しかけられたように感じたから。 一人で歩くのも好きなのは、こんなことがあるから。 なんて言ってるんだろう、、、紅葉の妖精たち。 言葉は出てこなかったけど気配は確かにある、そんな事はありませんか? 後ろを振り返ると葉を支える太い幹が、、、 小さな感動から今日も始まった。…

関民先生の思い出

関民先生の思い出

どうして帽子を始めたのか(「帽子との出会い」)は先日書かせてもらった。 そうとは知らずに丁稚奉公としてアトリエに入った私の衝撃を想像して欲しいのだが 今となっては本当に懐かしい、貴重な体験をさせてもらった。 なにしろ恥ずかしくなるほど未熟だった私を、先生はどんな目で眺めていたのだろう。 今、印象に残っている言葉は、初めてミシンを踏む時に 「一目一目心を込めて踏むのよ〜」と。 それから、こうも言った 「あなたは一生、帽子を作るわね、かわいそうに」 そして「優雅に帽子を作りなさい」とも。 また「オーダーを受けちゃダメよ」と釘を刺されたこともある。 どうして帽子を作り続けることがかわいそうなの? 優…

3本ドレープ

3本ドレープ

試行錯誤を繰り返しています。 大変なんだけど、楽しさもあるから仕方ない。 目指しているのはカジュアルエレガンス 具体的には ①優しいかぶり心地 ②室内でかぶったままでOK ③バックにポンとしまえる ④それでいてお洒落 喜んでかぶってもらえる帽子目指してファイト!もうひとがんばり!! アトリエは予約制で活動中です。 12月には文化村クラフトコレクションに出展します。 ぜひ、お手にとってご覧くださり ご意見、ご感想をいただけたら幸いです。 冬こそ帽子のお洒落が重宝します。 冬枯れの街に帽子の花を咲かせましょう〜 宜しくどうぞお願いします。 ************************* いつも…

お土産

お土産

息子夫婦が土産を持って遊びに来た。 仕事でドイツとカタールに行っていたのだ。 土産はいらないよ〜といつもは言うのだけど そう言っても何か買ってくるから 今回、初めてチョコレートをリクエストした。 だってチョコはベルギーって思っていてベルギーはドイツと近いでしょ? と言うことで自分で買ったことないお馴染みのチョコレートを持ってきた。 私を知っている人は驚くと思う、チョコレート食べるの?ってね。 そう、長い間、断糖していた。 でも、高級なそれはパクパク食べれないから それなら、人生の楽しみとしていいかなと最近は思う。 年齢を重ねて、尖っていたところが丸くなったとでも言いましょうか。 さて、チョコレ…

傘

先日、孫のお迎えの時のこと。 四谷三丁目で下車した際に、後ろからトントンと肩を叩かれた。 それが夫のそれと良く似ていて なぜこんなところにいるの?と思いながら振り返った。 すると赤の他人さまの男性が「傘を忘れてませんか?」と言う。 「あ!そうだ!!」と車内に戻り傘を手にして「ありがとう」を連発する私。 地下鉄の停車中の一瞬のことだったが ふわ〜っと嬉しさが込み上げスキップしたい感じ。 それからしばらく幸せ色に浸った。 あっと思ったことを、さっと行動に移して、間一髪の親切が届く。 すごいことだと思う。 私も真似したい、見習いたい。 どこの誰だかわからないけれどこの場を借りて もう一度ありがとうご…